パッシブハウスとは?失敗?住んでみて体感したメリット・デメリット

パッシブハウスとは?メリットデメリット、失敗?アイキャッチ

パッシブハウスは世界基準でもトップクラスな省エネ住宅。高い断熱性能と気密性、自然エネルギー(太陽光、地熱など)を利用して、室内環境を快適に保ちながら省エネルギーを実現します。

シャルウィハウスでは、いち早くパッシブハウスの建設に着目し、省エネ住宅の普及に力を入れてきました。
最近ではZEHや長期優良住宅など、いわゆる省エネ住宅がハウスメーカーを中心に広がっていますが、パッシブハウスレベルの住宅性能には程遠く及びません。

  • パッシブハウスの住宅性能って実際どんな感じなのか?
  • パッシブハウスに住んでみた感想は?
  • パッシブハウスを建ててみて、メリットやデメリットは?

パッシブハウスや超省エネ住宅の建設を考える上での疑問や感想について、インターネット上でも情報が少なく、特に実際に住んでいる人々のリアルな声はとても貴重だと思います。

シャルウィハウスのパッシブハウスや超省エネ住宅のお施主様が住んでみて体感したメリット・デメリットなどをまとめましたのでご覧ください。

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パッシブハウスに住んでみて

名古屋パッシブハウス

Case… 01

  • 温度と湿度の悩みがゼロに
  • 空気環境の快適性に満足
  • エネルギー高騰の対策になった

名古屋市にある認定パッシブハウスの住宅で暮らす3人家族。
生まれたばかりの赤ちゃんとの暮らしでのパッシブハウスの感想をご覧ください。

温度と湿度の悩みがゼロに

お施主様
パッシブハウスに住んでみて真っ先に感じたのが、リビングとお風呂場の温度が同じなので、冬場でも赤ちゃんを急いで服脱がせたり着せたりする必要がなくなってすごいと思ったことです。大人の私たちもお風呂場で寒がりながら脱衣着衣することもなくなりました。
シャルウィハウス代表:井藤
パッシブハウスは高気密・高断熱、全館空調を基本としているので、家中が一定の温湿度で保たれます。
家の中で極端に寒いところ、暑いとことがないだけで暮らしは豊かになり、夏のジメジメと冬のカラカラがなくなるだけでとても過ごしやすくなります。

空気環境の快適性に満足

お施主様
洗濯物が室内干しでも数時間で乾いてしまいます。量によってはサーキュレーターで風を当てることもありますけど、脱衣所から広いリビングとかに持ってけば本当にすぐに乾くので洗濯がとても楽になりました。
シャルウィハウス代表:井藤
気密精度の高さと徹底した換気設計により、常に空気の流れがあるので、まるで外干しのように洗濯物が乾きます。
夏の外気で湿度が高いときには、パッシブハウスの室内の方が早く乾くこともありえます。

エネルギー高騰の対策になった

お施主様
家づくりについて調べているときに、エネルギーの高騰が社会的な問題として取り上げられていて、今後の家づくりではエネルギーのことも考える必要があるなと思いました。省エネ住宅について調べた結果パッシブハウスの存在に辿り着きました。
実際にパッシブハウスが完成して住んでいるうちに、エネルギー価格が高騰していきました。我が家は高い省エネ性能でランニングコストが抑えられているのでとても良かったです。
シャルウィハウス代表:井藤
パッシブハウスはイニシャルコスト(初期コスト)がかかりますが、省エネ性能によりランニングコストを削減することができます。光熱費よりも売電収入が上回るような家づくりが可能です。
省エネのレベルとしては、太陽光等の活用によりエネルギーを買わないことでZEH(ゼロエネルギーハウス)が実現可能です。また、LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)を目指すことも十分に可能です。

ギャラリーと大開放リビングのある家

Case… 02

  • 大空間と居住環境の両立
  • 大開口窓の採用
  • ウォークインクローゼットに洗濯を干せる

意匠にこだわったデザイン住宅でありながら、住宅性能もトップクラス。これほどの大空間で居住快適性を実現した他にない事例です。

大空間と居住環境の両立

お施主様
開放感のある大空間リビングにはこだわりがあり、大手ハウスメーカーの鉄骨造やSE工法では大空間が実げできることは分かっていましたが、イマイチな住宅性能で居住快適性を妥協したくないという想いがありました。シャルウィハウスさんが特に居住快適性についての住宅性能に定評があることを知ったので建築を依頼することになりました。

良い意味で想像を裏切られまして、リビングが広いだけでなく2階分まで吹き抜けて、さらに扉などもなく他の空間とも繋がっていて、圧倒的な大空間に驚かされました。床面積は広めですが、全館空調が効いていて本当に居住環境が良好です。

シャルウィハウス代表:井藤
パッシブハウスを代表とする高性能なエコハウスでは、超高気密・超高断熱に加えて全館空調を採用するため、吹き抜けの大空間が空調効率にはかえって好条件となります。
気密等を中心とした性能が十分でないと実現できない建設となりますので、当社をお選び頂き本当に良かったです。

大開口窓の採用

お施主様
開放的な大空間リビングには大開口窓を絶対につけたいと思っていました。初めてプランを提案頂いたときに、ここまで窓を活かすことができるのかと嬉しくなったのを今でも覚えています。
シャルウィハウス代表:井藤
こちらはリビングのメインの窓にYKKAPのAPW431大開口スライディングを連ねて採用しています。トリプルガラスの樹脂窓で高い断熱性があります。
断熱性を最優先にする場合はエクセルシャノン製の窓を利用することもありますが、本件はよりサッシがスリムで意匠性の高いYKKAP性に軍配が上がりました。

ウォークインクローゼットに洗濯を干せる

お施主様
脱衣所からつながっているウォークインクローゼットに洗濯した衣類をそのまま干せると言われた時は衝撃的でした。衣類によっては干すことが収納ですので家事負担がとても少なくなると思います。
シャルウィハウス代表:井藤
窓を閉め切っていても常に換気が行われており、家全体で一定の風量で空気が循環する設計となっていますので、洗濯が乾きやすいですし、カビが生える心配も極限まで減らしています。
常に風が通るところではカビが生えないとされていますので、心配せずに部屋干しすることができます。

パッシブハウスのメリットとデメリット

パッシブハウスの新築住宅で得られる3つのメリット

1. エネルギー効率が高く、ランニングコストが低い

パッシブハウスは、断熱性能や気密性が非常に高く、暖房や冷房のエネルギー消費を大幅に削減できます。
PHPP(Passive House Planning Package)といった建築物のエネルギー収支を計算ツールなどが用いられて、冷暖房負荷まで行われるなど設計段階でエネルギー効率について徹底されています。

結果的に、エネルギー消費が少ないため、月々の光熱費が低く抑えられることから、ランニングコストは低く抑えることができます。

2. 快適な室内環境

パッシブハウスは、高断熱・高気密、全館空調を利用するため、外気温の影響を受けにくく、年間を通じて快適な室内温度を保つことができます。
また、全館空調として、第一種熱交換換気システムを用いるため、24時間換気により酸素濃度の低下を防ぎ、湿度調整も行われるため、1新鮮な空気、2快適な温度、3適正な湿度、によって家全体が快適な室内環境に整います。

3. 住宅の資産価値が高く、耐久性や寿命が長い

世界トップレベルの住宅性能基準であることから、高性能エコ住宅として市場での資産価値を高く保つことができます。

また、気密性や断熱性の高さ、また湿度調整により、家全体の構造材が痛みにくく耐久性や寿命が長い建物となります。

パッシブハウスの建設でネックとなる3つのデメリット

1. 初期コストが高い

パッシブハウスは高性能な窓や品質の高い断熱材を多くする利用することで、通常よりも高価な材料を必要とします。
気密性を確保するための気密シートや熱橋を防ぐための材料、施工においては実質的な施工技術料も上乗せとなります。
パッシブハウスを検討する上での一番のデメリットは初期コストが高いことにあります。

2. 設計の自由度や建設できる土地に制限がある

パッシブハウスでは冬の日射取得のを十分に活用するために、真北に対して南向きに大きな窓を配置できる条件が求められます。
パッシブハウスの性能を十分に発揮するためには、周囲の建物、前面道路、地形などの条件が整う必要があるため、土地を探される場合はパッシブハウスを考慮した土地探しが必要となり、既に土地を保有されていてパッシブハウスを建設されたい方はパッシブハウスを建設可能であるのか確認する必要があります。

3. 設計や施工に深い専門知識が必要であり、建設業者が限られる

パッシブハウスは世界基準でも厳しい基準をクリアする住宅であり、設計・施工は高度な知識や技術が必要となります。そのため設計・施工できる建設事業者が限られています。
日本は住宅後進国と言われており、パッシブハウスの施工経験を持つ業者は限りなく少なく、信頼できる建設事業者を見つけるのは困難です。

パッシブハウスは失敗

パッシブハウスを検討したり、知りたいと思っている人が気になるのが、パッシブハウスを建てて失敗しないか?ということですよね。
成功とか失敗かの判断は下記をご覧いただければ、概ねの考え方を掴んでいただけると思います。

認定パッシブハウスの成功と失敗の考え方

パッシブハウスは厳しい認定基準があることから、「認定パッシブハウス」の場合、十分以上の性能が担保されることから、とても快適な住宅で高性能なエコハウスになることは間違いありません。

認定パッシブハウスの場合は以下の条件をクリアして認定を得ることができます。

  • 冷暖房負荷が各15kWh/m2以下であること
  • 気密性能として50Paの加圧時の漏気回数が0.6回以下であること
  • 一次エネルギー消費量(家電も含む)が120kWh/m2以下であること

上記条件をすることで、居住快適性にのみフォーカスした場合は非常に満足する住まいになり、認定パッシブハウスを選んで大成功かと思います。

一方で、上記条件をクリアするためには、相当なコストがかかってくるのも事実です。高性能かつ十分な断熱材を利用したり、高気密施工を施したり、エネルギー消費を考慮した換気システムを導入する必要があったりします。
その相当なコストが、どの程度コスパを担保できるかという点では懐疑的な部分があるのも事実です。

つまり、簡単にお話しすると、「認定パッシブハウスレベルのエコに掛けたコスト」が、「経済的なエコ(消費電力等、光熱費の削減)というパフォーマンス」を補うことは難しいため、「コスパ」だけを考えると割には合わないということです。

こちらについては、一定以上の高性能エコハウスにも共通して言える点があるかもしれません。

認定パッシブハウスが成功か失敗かの判断は、コスパ(経済的エコ)ではなく、居住快適性や環境としてのエコにフォーカスすれば大成功となります。
コスパについての理解を深めておくことで、後から失敗だと感じることは避けることができると思います。

認定パッシブハウスは不要?必要?

では、認定パッシブハウスが必要かどうかという点ですが、必要か不要かはとても難しい問題ではあります。
通常は予算に限りがあるかと思いますので、予算と相談になりますが、必ずしも認定パッシブハウスにこだわる必要はないと思います。

認定パッシブハウスは不要の考え方

認定パッシブハウスの認定取得には30万円程度費用がかかることが一般的。
そもそも、認定パッシブハウスレベルの性能に相当なコストがかかることをお話ししました。

信用できるビルダーさんに出会うことができ、期待相応の居住快適性を得られるエコハウスを建設することができるのであれば、認定パッシブハウスである必要はないかもしれません。
例えば、「後少しでパッシブハウスレベル」、「気密性能はC値0.2で外皮性能水準はHEAT20 G2」など、建て方によって十分に快適な暮らしができると思います。

しかし、性能の数字だけでは真の居住快適性や性能はわかりません。設計手法や設備の利用の仕方、換気計画など、ビルダーによって千差万別、コストが同じでも結果は大きく異なる可能性があります。
ビルダー選びがとても重要であることを理解した上で、十分に慎重に情報収集をして、ビルダーさんの話をよく聞いて判断をしてください。

認定パッシブハウスが必要の考え方

認定パッシブハウスの最大のメリットは「認定」です。そのメリットは以下の2つです。

  • 新築したエコハウスが真のエコハウスであることが認定によって証明される
    パッシブハウス認定があることによって、お施主様(住まう人)が新築する家が本当に高性能エコハウスであることが証明される訳ですから、悪質なビルダーが性能を偽ることによって騙されることがありません。
  • 認定パッシブハウスは住宅としての資産価値を担保する
    万が一新築した家を手放す際に、パッシブハウスの認定があることで評価に値する家として高値で中古販売できる可能性が高まります。すなわち、住宅としての資産価値を担保することにつながります。

新築住宅の購入は一生に一度の大きなお買い物。絶対に失敗したくない、せっかくなら最高を求めたい、パッシブハウスの考え方に賛同した。様々な考え方の上で、認定パッシブハウスを選ばれるのも素敵だと思います。
とても市場価値の高く資産価値のあるパッシブハウスに住むのは、人生のリスクヘッジになるという考え方もあります。

シャルウィハウスでは、認定パッシブハウスの建設も、認定を取らない高性能エコハウスの建設も、ご相談承っております。
また、名古屋地域でない方についても、信頼のおける全国のビルダーさんをご紹介することも可能ですので、お気軽にご相談ください。

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