パッシブハウスとは?

パッシブハウスについて

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パッシブハウスとは?

What is Passive House ? …

パッシブハウスとは、自然を活かして建物と設備が設計された「冬暖かく、夏涼しく、明るい家」すなわち「省エネ高性能住宅」。中でも厳しい認定基準をクリアした家だけがパッシブハウスと呼ばれます。

建物のありかたに工夫して、建物の周りにある自然エネルギー(太陽、風、地熱)を最大限に活用・調整できるようにし、高い質の室内環境を実現させながら、省エネルギーに寄与しようとする、建築設計の考え方とその実際的手法。

Passive-Design Technical Forum “パッシブデザイン講義”

パッシブハウスの主な特徴

パッシブハウスの主な特徴は以下3つ。動画でも解説してますのでぜひご覧ください。

  • 自然の利用
  • 超高気密・超高断熱
  • 全熱交換換気・全館空調

パッシブハウスの認定基準

以下の基準を満たした住宅がパッシブハウスと認定されます。

  1. 冷暖房需要が各15kWh/㎡以下
  2. 一次エネルギー消費量(家電も含む)120kWh/㎡以下
  3. 気密性能として50㎩の加圧時の漏気回数0.6回以下

設計段階でパッシブハウスジャパン(本場ドイツのパッシブハウス研究所から委託を受けた機関)が設計図を審査し、仮認定書を発行。
建物の完成後に躯体性能試験を実施し、基準を満たしていることが確認できればパッシブハウスと認定されます。

認定は基準値により判断され、素材や設計に特定の制限はありません。

パッシブハウスに求められる機能

パッシブハウスに求められるのは以下のような機能。

  • 断熱
  • 蓄熱(日射取得)
  • 遮熱(日射遮蔽)
  • 昼光利用
  • 通風

全ての機能を備えることが絶対条件ではありませんが、いずれも厳しい基準をクリアする上でも、何より快適な住環境を実現する上でも重要です。

断熱

建物の気密性により実現する断熱はパッシブハウスの最重要要素。
室内の熱を外に逃がさず、また冷たい外気を遮断することによって、外気の影響を受けにくい「夏涼しく・冬暖かい家」が実現します。
蓄熱・遮熱といった熱のコントロールを行う上でも大前提となるのが断熱機能です。

体躯の素材だけでなく、窓の素材の選定も家の断熱性を左右します。

蓄熱(日射取得・放熱)

寒い時は熱を蓄え、逆に暑い時は熱を蓄える「蓄熱」の機能。冬場は日射熱を取り入れることによって部屋を暖め、夏場は夜間の冷気を蓄えることによって部屋を冷やすことにより、冷暖房への依存率を下げます。

冬の日射を取り入れるための窓に加え、壁の素材として蓄熱性の高いものを用いることで高い蓄熱性が確保可能です。

遮熱(日射遮蔽)

快適な温度の空間を実現するためには夏場の日光など余計な熱を取り入れないことも重要。
したがって、日射を遮蔽する遮熱の要素も欠かせません。
具体的には、庇(ひさし:窓や出入り口に取り付けられる小さな屋根のようなもの)や外付けのブラインドによる直射日光の遮断などが挙げられます。

一見冬に日射を積極的に取り入れる日射取得の機能と相反するようにも見えますが、夏と冬の日の高さの違いを計算した設計で両者を両立させることが可能。
また、外付けのブラインドの活用によっても取り入れる日射量をコントロールできます。

昼光利用

日射は熱だけでなく、光も活用可能。
日光を取り入れて部屋の明るさを保つことにより照明のための電気代が削減でき、省エネにも貢献できます。

窓の位置や間取りを工夫し、日光を部屋の奥まで届かせることや、壁で光を反射させることを意識して建物を設計することにより、効率よく日光を活用できる明るい家が実現します。

通風

空気の性質を計算した上で風の通り道を設計した構造にすることも、年中快適な環境を保つ上で重要な要素。

具体的には暖められた空気は上昇し、逆に冷えた空気は下降するという性質を利用し、夏は暖かい空気を建物の上部に設置した排気口から逃がすことによって熱がこもるのを防ぐ、冬は暖められた空気をシーリングファンなどを用いて室内に循環させることで光熱費を抑えながら暖かい空気を充満させる、といった形です。

パッシブハウスと似た概念との違い

パッシブハウスへの理解を深めるにあたり、パッシブハウスと混合されがちな概念と比較しながらそれぞれと差異・特徴を解説します。

パッシブハウスとパッシブデザインの違い

パッシブデザインとは自然を利用し高気密・高断熱の「冬暖かく、夏涼しく、明るい家」の実現を目指した建築手法全般を指します。このうち、認定基準を満たした住宅のみが「パッシブハウス」と呼ばれます。

パッシブハウスとZEH(Zero Energy House)の違い

ZEH(Zero Energy House)とは、住宅に設置した再生可能エネルギー(主に太陽光)による発電が住宅での消費エネルギーと同等以上である住宅のこと。
すなわち、電力会社から電力を購入して消費しても、発電した電力の売電によってゼロ以上となる物件を指します。

ZEH(Zero Energy House):「生産する電力≧消費電力」の家

ZEHを実現するには大前提として太陽光などの自家発電が求められますが、消費電力を抑える上では高気密・高断熱のパッシブデザインであることも重要。
自家発電の有無はパッシブハウスの認定には一切影響しないため両者は異なる概念ですが、認定基準を満たしたパッシブハウスであれば消費電力は必然的に抑えられるため、両者の親和性は非常に高いと言えます。

ZEH住宅を建築するにあたっては必ずしもパッシブハウスの認定基準を満たす必要はありませんが、パッシブデザインであることは重要です。

パッシブハウスとスマートハウスの違い

スマートハウスとは再生可能エネルギーによる自家発電およびHEMS(Home Energy Management System)を導入し、IoTの力で空調や照明を自動で最適化することで快適な居住空間を実現する家のこと。
スマートハウスでは再生可能エネルギーの自家発電を用いる点はZEHと同様ですが、必ずしも発電量が消費電力を上回る必要はありません。

「冬暖かく、夏涼しく、明るい家」を目指す方向性はパッシブハウスと一致していますが、パッシブハウスは自然の力を利用する「体躯」が重要であるのに対し、スマートハウスは快適な空調コントロール等「HEMS(住宅設備のIoT機能)」を重視します。

パッシブハウスのメリット

パッシブハウスには経済面・機能面・健康の観点からも様々なメリットがあります。

パッシブハウスのメリット【経済面】

ランニングコストを削減できる

一般的な住宅と比較して冷暖房に頼らなくても良いことは必然的に光熱費の節約につながります。
購入時の価格は一般的な住宅に比べて高額ですが、長年住めば住んだだけトータルコストで元が取れるのがパッシブハウスです。

住宅ローン減税の条件を満たす性能

パッシブハウスそのものに対する住宅ローンの優遇金利や固定資産税の減税措置は現時点では存在しません。
一方で、2024年1月以降の住宅ローン減税は省エネ性能が必須となり、「省エネ基準適合住宅、ZEH水準省エネ住宅、長期優良住宅・低炭素住宅」などの性能が条件となります。
パッシブハウスは上記条件を上回る性能であることから、認定を取得することで住宅ローン減税の対象となります。

住宅が長寿命化し長持ちする

パッシブハウスは、高い断熱性能があるため、結露による建物内部の腐朽や劣化を防止し、長期間の住み心地を保つことができます。
熱や湿度の変化が少ないことからも、木材に与えるダメージが少なく、長く持つ家となります。
また、高い省エネ性能のために、暖房設備や冷房設備に負荷をかけないことから、メンテナンスコストの削減にもつながります。

パッシブハウスのメリット【機能面】

快適な室内環境の実現

パッシブハウスは自然の力を活用し、夏は涼しく冬は暖かい住環境を実現。
冷暖房の力に大きく頼らなくとも年間を通して過ごしやすい状態が保たれます。

省エネ性に優れる

光熱費を抑えることは自身にとっての経済的メリットになるだけでなく、省エネによる環境面への配慮にもつながります。
意識的な節電・暑さや寒さを我慢しての節電を行わなくても、無意識に快適に生活しているだけで省エネに貢献できます。

パッシブハウスのメリット【健康面】

寒暖差による身体への負担の軽減

パッシブハウスの屋内は自動的に温度差が抑えられるため、寒暖差による身体への負担も抑えられます。
冬場の特に浴室で起きる「ヒートショック」の原因は、寒い脱衣所から熱い湯船に浸かった時の大きな温度差。

一般的な住宅では光熱費の節約のため普段過ごす空間は空調を効かせ、あまり使わない空間は何もしない状態であることも多いですが、この時生じる「よくいる空間」と「あまり使わない空間」の寒暖差による身体の負担は想像以上のものです。
自動的に屋内の温度が一定水準に保たれるパッシブハウスでは、身体への負担が自然と軽減されます。

通風・自然換気

パッシブハウスでは断熱を実現する一方で通風・換気が自然に行われます。
人為的な換気を行わなくとも自然と空気の入れ替えが行われ、屋内では常に空気が新鮮な状態を維持。
結露によるカビの発生なども抑えられます。

パッシブハウスのデメリットは?後悔・失敗しないための注意ポイント

一方でパッシブハウスのデメリットとしては以下のようなポイントが挙げられます。

建築コストがかかる

パッシブハウスを建築するためには性能の良い建築素材を利用する必要があるため、建築コストは割高になりがち。
購入価格自体は一般の住宅よりも高額ですが、月々の光熱費は抑えられるため長年居住していることでトータルで家にかかるコストは抑えられます。

認定取得に費用がかかる

パッシブハウスの認定を受けるための審査費用や認定の取得費用の総額は33万円(税込)
さらに、ケースによっては55万円(税込)程度のコンサルティング費用が発生する場合があります。

工期が長い

パッシブハウスは設計段階から認定基準をクリアするための綿密な設計を要し、さらに建築資材の調達にも時間を要する可能性があります。
そのため、一般的な住宅と比較して完成するまでに多少時間が多くかかるケースがあります。

スムーズに対応できる業者が少ない

パッシブハウスジャパンの賛助会員は(設計事務所・工務店・メーカーなど)は2022年10月時点で約250社程度。
パッシブハウスは現在浸透しきっている概念ではないため、基準を満たす設計や施工に対応できる業者が少なく、業者選びから手間を要する可能性があります。

パッシブハウスの建築費用(坪単価)

パッシブハウスの建築費用は坪単価55万円~90万円程度。

規格を統一することで価格を抑える「ローコスト住宅」と比較すると2倍を超える価格となるケースもあります。

パッシブハウスは基準さえ満たしていれば素材は構造は問われないため、ある程度はお客様のご予算・ご要望に合わせた範囲での施工が可能です。
ただし、厳しい認定基準を満たすためにはある程度の高品質な建築資材が求められるのは必然。

  • 月々の光熱費を削減できることで長期的に元が取れると考える
  • 快適で健康的な暮らしのための投資と考える
  • 子供・孫も住み続けられる財産への投資と考える

といった考え方が重要です。

パッシブハウス向けの補助金はない!利用できる可能性のある関連補助金

現時点では、パッシブハウスの建築や認定取得などに対する補助金事業は実施されていません。

海外ではパッシブハウスに対する補助金施策も実施されており、今後持続可能な社会を目指す上で重要性の高いパッシブハウスに対する補助金事業が日本でも実施される可能性は十分にあります。

パッシブハウスに関連する可能性のある分野としては以下のような補助金が存在するためぜひご確認ください。

ZEH支援事業

パッシブハウスに直接関係する補助金はありませんが、ZEHの新築・改修にあたってはZEH支援事業が活用できます。

エネルギー収支ゼロのZEHに対しては55万円 / 戸。
さらに、性能や自家発電の機能を拡大するZEH+(100万円)、次世代ZEH+(100万円)、次世代HEMS(112万円)といった区分と認定されると支援の上限額が上がり、さらに特定の施設・設備を導入する場合、追加補助が得られます。

地域型住宅グリーン化事業(※施工事業者向け)

地域型住宅グリーン化事業とは省エネや耐久性に優れる木造住宅を新築・改修する事業者の「グループ(原木の供給から施工にいたるまでの事業者の集まり)」に対して支給される補助金のこと。

「ゼロ・エネルギー住宅型(認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅)」に該当する場合、最大150万円の補助金が支給されます。
注意点としては、補助金は住宅の注文者が受け取るのではなく事業者のグループが受け取る点。
注文者は該当分の割引などを通して間接的に恩恵を受けられる可能性のある補助金です。

シャルウィハウスのパッシブハウス

シャルウィハウスは愛知県名古屋市南区で唯一の『PASSIVEHOUSEJAPAN』認定ビルダー。
パッシブデザインという言葉を使う住宅メーカーが増えてきましたが、正真正銘のパッシブハウスを建設しているところが少ないのが現状です。
世界基準を超えるシャルウィハウスの確かな性能をご確認ください。

現在の省エネ基準とシャルウィハウスの省エネレベルを以下に示してみました。

シャルウィハウスの省エネ性能と他社比較

シャルウィハウスの省エネ性能を、省エネ基準値と、省エネレベル首位のIハウスメーカーと比較しました。いずれの値も基準値より小さいほど省エネ性能の高さを表します。

省エネ関連項目
(省エネ基準値)
シャルウィハウス
(モニターモデルハウス)
I ハウスメーカー
(最高グレード仕様)
UA値(0.87W/m2K)0.27W/m2K0.25W/m2K(カタログ)
ηAC値(2.7)0.9不明
BEI値(1.0)0.7不明
C値(H11年基準 5.0cm2/m2)0.15cm2/m20.59cm2/m2(平均実測値)
2022年2月当社調べ

シャルウィハウスのモニターモデルハウスではUA値0.27W/m2K(基準の69.0%削減)、C値0.15cm2/m2(基準の97.7%削減)、圧倒的な省エネ性能を誇ってます。
省エネ関連項目は『ほぼHEAT20 G3レベル』を獲得しており、世界基準で最高レベルの省エネ性能となっています。

省エネレベル首位のIハウスメーカーとの比較では、最高グレード仕様にUA値ではわずかに0.02W/m2K劣っていますが、建物の隙間面積を表すC値では圧倒的な差となっています。
省エネに性能において隙間面積の少なさは非常に需要であり、C値の高さは実質的に省エネ性能の劣りにつながります。

事実上、シャルウィハウスの家は首位のハウスメーカー最高グレード仕様に勝る省エネ性能を誇り、業界を牽引しています。

省エネ基準とは?

省エネ基準では断熱性能(外皮性能を評価する基準でUA値とηAC値)と省エネ性能(一次エネルギー消費の評価基準でBEI)があります。
平成28年の改訂が次世代省エネ基準(現行基準)であり、一般的な住宅はこちらの基準をクリアするように建設されています。

UA値(外皮平均熱還流率)による省エネ基準とZEH基準

スクロールできます
省エネ基準S55H4H11, H25, H28
(現在)
ZEHHEAT20 G1ZEH +HEAT20 G2HEAT20 G3
UA値その他1.671.540.870.60.560.50.460.26
ηAC値4.02.7
断熱性能等級等級1等級2等級3等級4等級5等級6(検討中)等級7(検討中)
省エネ基準からの
エネルギー削減目安
次世代省エネ基準暖房エネルギー▲40%暖房エネルギー▲55%暖房エネルギー▲75%
体感温度の目安概ね8℃を下回らない概ね10℃を下回らない概ね13℃を下回らない概ね15℃を下回らない

BEI・BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)による省エネ基準とZEH基準

スクロールできます
省エネ基準H28(現在)省エネ誘導基準ZEH OrientedNearly ZEH『ZEH』
BEIその他1.11.00.90.850.8以下0.8以下0.8以下
一次エネルギー
消費量等級
等級1等級4等級5等級6(検討中)
省エネ基準からの
エネルギー削減目安
次世代省エネ基準▲10%▲15%▲20%以上▲20%以上▲20%以上
BELS評価★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

国土交通省”建築物省エネ法”経済産業省資源エネルギー省”ZEH”HEAT20″HEAT20 住宅シナリオ”

パッシブハウスを体験できるモデルハウスへご来場ください

名古屋市南区三吉町 モニターモデルハウス

パッシブハウス×スマートハウスの高性能住宅です。
吹き抜けと全館空調が創る健康で快適な暮らしをご体験ください。

シャルウィハウスでは「パッシブハウス×スマートハウス」の家を体感していただくことができます。
世界基準の高性能住宅を体験することができますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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